【東京脱出計画③】札幌で中古マンションを”一括購入”した全記録|譲れない条件と決断の理由

前回の記事で、東京脱出を成功させるために移住先を札幌に決めた理由について話した。今回は、札幌での具体的な住まい探しについてだ。

賃貸じゃなく、あえて中古マンションの「一括購入」を選んだ理由から、妥協できなかった譲れない条件、そして最終的に運命の一件に出会うまでのリアルな記録をすべて公開する。札幌での物件探しを考えている人、特に私と同じように一括購入を検討している人には、きっと役立つ情報があるはずだ。

↓前回の記事(なぜ札幌にしたのか?)

↓初回の記事(なぜ東京脱出/地方移住を計画したのか?)

目次

賃貸じゃなく購入を選んだ理由

札幌移住を決めて物件を探し始めたとき、選択肢は賃貸か購入か、二択だった。でも、私は迷うことなく「購入」を選んだ。

東京から移住するなら「まずは賃貸で様子見」という人も多いと思う。私がそうしなかった理由は4つある。

1. 中古マンションなら一括購入できた

これが一番大きかった。貯金が400万円貯まって、札幌なら中古マンションを一括で購入できる物件がいくつかあった。ローンを組む必要もないし、毎月の支払いを気にせず生活できる。これが、賃貸じゃなくて購入に踏み切った最大の理由だ。

2. 資産形成と老後の安心

家賃は払って終わりだが、マンションを購入すれば資産になる。老後の住まいに対する不安を少しでもなくしておきたかった。というのも、高齢になると賃貸でお断りされたり、借りられる住宅の選択肢が狭くなるって知っていたからだ。職をなくしても住む場所を失う心配がないというのも、大きな安心材料だった。

3. 将来の資産価値を見据えて

これも購入を決めた大きな理由だ。東京一極集中が叫ばれる一方で、地方の価値が高まっていくと予想している。もはや東京および首都圏は物件価格が高すぎて庶民には手が届かない。

また、近年の温暖化によって、比較的過ごしやすい地域に注目が集まっていくとも考えていた。札幌はそれに合致する都市。今なら比較的安価で買えるが、将来的には今の数倍の値段を出さないと買えない可能性もあると読んだ。

4. 「お試し移住」の費用がもったいなかったから

そもそも、お試し移住にかかる費用がもったいないと思った。1年間住むだけでも、家賃や敷金礼金、引っ越し代などでそれなりの金額になる。その分のお金を中古マンションの購入費用に当てた方が、圧倒的にコスパが良い。もちろん、多少合わなかった場合のギャンブル性は高いが、最悪売るなり貸すなりという選択肢も残っていると考えた。

絶対に譲れない物件探しの条件(立地編)

中古マンションを購入するにあたり、私が絶対に譲れない条件をいくつか設定した。これが、数ある物件の中から理想の住まいを見つけるための羅針盤になった。まずは建物自体の立地から。

①通勤は地下鉄で20分以内、乗り換えなし

まず最優先したのは、交通の便だ。札幌に移住し転職もした場合、おそらく札幌駅周辺に通勤することになる。また、娯楽施設や繁華街も札幌駅周辺なので、行く頻度は高そうだ。

そうなると、札幌駅や大通駅まで電車や地下鉄で20分以内、できれば乗り換えなしの1本で行ける場所を探した。特に冬は路面が凍結するため、雪で止まる確率が低い地下鉄を優先的に考えた。

具体的には、南北線沿線が第一希望。東豊線はさっぽろ駅や大通駅での乗り換えに時間がかかるため、東西線はさっぽろ駅に行くのに大通駅での乗り換えが必要なため、南北線が一番使いやすいと判断した。

沿線優先度:南北線>東豊線>東西線 
※札幌市電や函館本線、千歳線、札沼線(学園都市線)も許容範囲とする。

②駅まで徒歩10分以内が理想

次は物件そのものの立地。駅まで徒歩10分以内が理想だった。車を使うつもりはないが、自転車は使うかもしれない。ただ、札幌では冬の間は自転車を保管し、使わないのが基本だ。そうなると徒歩になる。

これまでの経験から、駅まで徒歩10分くらいまでが快適に過ごせる範囲だった。許容範囲としては15分以内とした。最悪、札幌行きのバス停が徒歩5分以内にあるとかでも可とする。

③スーパーまで徒歩10分以内が理想

これも重要な条件だった。スーパーはほぼ毎日行く場所なので、最も重要視した。私はドケチなので日々の食費も浮かせたく、さらに札幌は食材の鮮度も高く美味いと判断した為、スーパーは必須だ。次に頻度の高いドラッグストアも近くにあればなお良い。コンビニはなくても困らない。

④建物同士が隣接していない

窓を開けたときに隣の建物しか見えない、という光景は東京では日常だった。ここは絶対に避けたかった。また、高層の建物が近くに立っていると景色が悪くなるし、日当たりも悪くなる。

札幌では、開放的な景色と日当たりの良さを確保できる場所を探した。駅近すぎると建物が密集しており、こういう現象が起きるので注意だ。

絶対に譲れない物件探しの条件(物件編)

次に物件自体の条件を記す。予算が少ない為、最初からオートロックや築浅などの贅沢な条件は外している。

①バス・トイレ別

これは、もはや条件というより、譲れない基本中の基本だった。私にとって、バス・トイレが一緒になっているのは論外。

昔、バス・トイレが一緒の物件に住んでいたが、浴槽が狭くて風呂に入るのが難しかったり、シャワーを使うたびにトイレがびしょびしょになったりした経験がある。毎日使う場所だからこそ、それぞれ独立していることは絶対条件にした。

②RC造 or SRC造

建物の構造にもこだわった。RC造(鉄筋コンクリート造)かSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)が条件だ。稀に鉄骨造(S造)や木造のマンションがあるが、防音性が低く、隣の声が丸聞こえになるのは避けたかった。RC造やSRC造は防音性に優れているため、快適に生活できる。

③バルコニーから少しでも自然が見える

バルコニーからの景色も重要だった。だって毎日洗濯物を干したりで出るから。札幌であれば遠くに山が見えるのが最高だと思っていた。川や公園、神社などでも、少しでも自然を感じられる景色が見えることを許容範囲とした。東京ではなかなか叶わなかった、開放的な景色が欲しかった。山が見えると空気が美味しく感じる不思議。

④部屋の広さ:できれば30m2以上、最低25m2以上

一人暮らしなので、そこまで広くなくてもいいが、窮屈でない程度の広さは欲しかった。最低でも25m2、できれば30m2以上あると快適に過ごせる。ただ、40m2以上など広すぎると、暖房効率が悪くなったり、掃除が大変になったりするデメリットもある。20m2以下は狭すぎるのでやめとくべし。

⑤できるだけ高層階

これも重要な条件だった。高層階であればあるほど景色が良いし、虫が飛んでこなくなる。目安として4階以上は欲しいと考えた。高台にある物件ならなお良い。寒さの面からいっても1階は論外だった。最上階や角部屋は札幌では寒いというデメリットもあるが、1階よりはマシだと判断した。

⑥物件価格は400万円以下

これは最初の理由でも触れたが、私の貯金で一括購入できる金額だ。絶対に住宅ローンは組まないと決めていた。よくある住宅ローン控除も、条件が合わずに利用できないとわかっていたから、これも大きな理由になった。

⑦リフォーム必須ではないこと

これも重要なポイントだった。200万円以下の安い物件を見ていたとき、部屋のどこかに欠陥があり、フルリフォームが必要な物件に何度か出会った。その結果、リフォーム代を合わせると400万円を超えることもある。そのまま住めるか、あるいは軽微なリフォームで済む物件を基準に探すことにした。

すぐに住まないならオーナーチェンジ物件も視野に

移住を決めたはいいが、すぐに引っ越さなくてもいいと思っていた。私は東京での仕事を続けつつ、札幌の物件探しをネットでしていたからだ。そうなると、選択肢に「オーナーチェンジ物件」も入ってきた。

①オーナーチェンジ物件とは何か

簡単に言うと、すでに賃借人が住んでいる状態の物件を、賃貸契約ごと購入することだ。購入したその日から家賃収入が得られるのが特徴で、買主は新しいオーナーとして、そのまま賃貸経営を引き継ぐことになる。

②オーナーチェンジ物件のデメリット

最大のデメリットは、内見ができないこと。賃借人が住んでいるため、部屋の中を直接確認できない。そのため、部屋の状態は写真や図面で判断するしかない。設備が古かったり、思わぬ欠陥があったりするリスクは覚悟が必要だ。賃借人が家賃滞納や汚く部屋を使うやばい奴のリスクもある。

また、すぐに自分が住みたいと思っても、賃借人が出ていくまでは住めない。
※引越し費用や家賃数ヶ月分など、お金を払えば交渉できる可能性も。

③オーナーチェンジ物件のメリット

一方、メリットも大きい。購入したその日から家賃収入が入ってくるため、マンションの管理費や修繕積立金、固定資産税などの費用を賄うことができる。また、賃借人を探す手間や、空室期間の心配がない。

④良い物件はオーナーチェンジ物件であることが多い

これは私の体感だが、物件を探していて「いいな」と思う物件は、オーナーチェンジ物件であることが多かった。それだけ、すでに住んでいる人がいる、つまり人気がある物件だと考えた。住んでいる人がいるということは、その物件に何かしらの魅力がある証拠だとも言える。

〜オーナーチェンジ物件でもOKな人〜
自分の条件に物件が一致している + すぐに移住しなくても良い
 + 多少のリスク覚悟

最終的に私が購入した物件

これまでの条件を踏まえて、私が最終的に選んだ物件を紹介する。

①立地

  • 南北線沿線
  • 駅から徒歩10分程度
  • 徒歩10分圏内にスーパーあり
  • 隣接している建物がない

②物件

  • バス・トイレ別
  • RC造
  • バルコニーからほんのり山が見える
  • 広さ25m2〜30m2
  • 4階以上
  • 価格400万円以下
  • リフォーム不要

③オーナーチェンジ物件

物件を探していた当初、オーナーチェンジ物件は避けたかった。しかし、この物件はそれ以上に立地や広さ、価格など、私の条件に完璧に当てはまっていた。正直、これ以上の物件には出会えないだろうと思い、最終的にはオーナーチェンジであることを承知で購入を決断した。まさに「ビビビ」と来た物件だった。


補足物件探しにおすすめなサイト

物件を探した期間は半年弱、どのようにして物件を探したか。

物件探しはSUUMOat HOMEHOMESがおすすめ。これらは条件が設定しやすく、検索しやすい。また、あるサイトには掲載していて、あるサイトには掲載していない物件もあったので、3社ともに並行して使うことは絶対だ。

次に気になる物件を見つけたら、その物件についての口コミを必ずチェック。
マンションレビューマンションノートという二つのサイトで物件名を入力すると、実際に住んでいた人の口コミが無料で見れる。メリット・デメリットなどリアルな声がわかる。

ここまでクリアし懸念点が無さげだなと思ったら資料請求をしよう。大体2、3日ほどしたらメールで資料を送ってくれる。「なんとなくいいかも」ではなく、「マジで買いたい!」物件を見つけたら資料請求後にすぐ電話したほうがいい。購入意思が高いことを伝えよう。内見もできるなら早めにし、買うも買わないもなる早で伝える。

体験談だが、良いと思った物件は問い合わせが遅いとすぐに他の人に契約が決まってしまっていた。

まとめ:「ここに住みたい!」と思える物件に出会えたら迷わず買い

札幌移住に向けて中古マンションを購入するまでの道のりを振り返ってみると、最初に決めた譲れない条件が羅針盤になってくれた。貯金で一括購入できるという強みを活かし、ローンを組むことなく、自分の理想とする住まいを探し回った。もっと時間はかかると思ったが、ある日運命的に出会ったので勢いで買った。

最終的に購入した物件は、当初は避けていたオーナーチェンジ物件だった。だが、立地や建物の構造、広さなど、これまでの条件をほとんど満たしていた。400万程度の少ない予算で条件に合う物件はなかなか見つからない。オーナーチェンジというデメリットを考慮しても、それを上回るメリットがあると感じた。

この決断は、最終的には色んな地域の色んな物件を見た後に「ここに絶対住みたい!」とはじめて直感したからだ。札幌への引っ越しはいつになるかわからないが後悔はしていない。

次回は実際に契約までの流れを書く…かもしれない!

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