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うつから心理学③:病みの元凶!歪んだ認知ベイシック・ミステイクス

前回、理想の性格を演じ続ける=いつしか理想の性格になれる可能性を記した荒療治な番外編とも言える内容であったが、今回は、そもそもの病みの原因である考え方を、アドラー心理学の認知論から考察していきたい。

目次

偉大なる心理学者にして近年人気のアルフレッド・アドラー

アルフレッド・アドラー(1870年~1937年/オーストリア)とは、個人心理学(アドラー心理学)を創始した心理学者。

引用元:いらすとや

アドラー心理学では、様々な認知論を提唱していたが、中でも最も私が共感できたのが、「ベイシック・ミステイクス(歪んだ認知)」であった。これは、病んだあるいは、偏った考え方をした人間の認知に特に顕著な特徴であり、当時うつだった私は深く感銘を受けた。次項で詳しく説明しよう。

ちなみに近年では、椎名桔平が出演したドラマ『嫌われる勇気』が放送された。ドラマでは、アドラー心理学に基づき悩みや事件を解決していき、日常生活でも役に立つわかりやすい例として人気を博した。

また、余談だが、アドラー心理学に関連する書籍は以下のようなものがある。

ベイシック・ミステイクス(歪んだ認知)とは?

アドラー心理学の中では、自身の認知論の中で、人間は物事を主観的に、かつバイアスをかけて(偏見を持って)見ている事を唱えている。つまり、全ての人間は客観的に、平等にものごとを認知していないといっているのである。

これは、感情を持っている人間の宿命なのかもしれない。ロボットではないので、”絶対公平”な考え方など不可能だろう。法の番人である、裁判官でも時には判断を間違うのだ。機械でないと難しいことだろう。

では、「ベイシック・ミステイクス(歪んだ認知)」とは、具体的に何を指しているのだろうか。それは、以下の5つに要約される。主にマイナスの感情が出現する時に伴う。

「ベイシック・ミステイクス(歪んだ認知)」
①決めつけ
事実ではない事も、これまでの自分の経験や相手の態度から、決めつけて判断してしまう事。
「~に違いない!」

例「あいつはこの前もミスしたし、今回もあいつが原因で失敗したに違いない!」

②誇張
事実を大幅に誇張し、必要以上にレッテルを貼る事。
「いつも~だ!」

例「選択を誤ってミスをしてしまった。私はいつも失敗ばかりだ。」

③見落とし
事実の一部を見落とし、ある側面にだけしか注目していない事。
「一方で~だ。」を見落とす

例「浮気されたのは、私が面白くない人間だからだ。(一方で、相手が不誠実であったという事実の見落とし)」

④過度の一般化
自分が経験した特殊な事例も、一般的な事として決め付ける事。
「若い時は~だった。」

例「俺らの時代は怒られて当たり前だった。今の若者は甘やかされすぎだ。」

⑤誤った価値観
過去の経験や、メディアなどによって、いつの間にか刷り込まれてしまった価値観。
「○○は~だろ。」

例「お客様は神様だろ!」


いかがだったであろうか。
我々も日々、何か決断をするときに、「ベイシック・ミステイクス(歪んだ認知)」を思い出し慎重に考え直すと、冷静な判断が出来るようになるのかもしれない。

とくに心を病んでしまった人間は、この歪んだ認知が激しい。冷静で論理的な判断力が欠けているからだ。そんな時は、今一度心の中でじっくりと問いかける時間を作ろう。

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