「怠けてるんじゃない、ただ本当にしんどいだけなんだ」
慢性疲労症候群(CFS)やうつ病、コロナ後遺症──見えない症状で日常生活すらままならない人が、制度の“穴”に落とされています。
障害年金は、本来そうした人を支えるための制度のはず。でも今の日本では、「少しでも働けるなら支援しません」と切り捨てられる現実があります。
長時間は働けない。でも、支援も受けられない。その先に待つのは借金、そして自殺、犯罪、ホームレス。
とくに、はいはい“甘え”と言われがちな軽度の障がい者に対する、支援や制度の疑問点をまとめました。
毎日体力的にしんどい…慢性疲労症候群(CFS)かも
正社員として毎日働く──それが「普通」だと言われる社会のなかで、私は今もしんどさを抱えています。
朝起きるのがつらい。仕事の途中で体力がもたず眠くなってしまう。通勤電車に乗るだけで疲れ果てる。仕事がある日は他に何もする気になれず、休日は寝て終わる。
「怠けてるだけ」「気合が足りない」と自分を責めながらも、どこかで「これって、普通じゃないのかも」と思い始めました。
実は私は、数年前にうつ病を患った経験があります。そして今もなお、強い倦怠感が抜けません。一時期コロナに感染したかも?と怪しい症状があったのですが、2日ほどで落ち着いたので結局分からず。
コロナの後遺症かもしれないとも感じています。
最近よく耳にする病名──慢性疲労症候群(CFS)という言葉が、他人事には思えなくなってきました。
調べれば調べるほど、この病名の症状が当てはまっています。

「慢性疲労症候群」とは何か?
慢性疲労症候群(Chronic Fatigue Syndrome: CFS)は、強い倦怠感が6ヶ月以上続き、日常生活に支障をきたす原因不明の病気です。コロナウィルスの後遺症としても発症している人は少なくないです。
特に以下のような症状が見られます:
- 常に疲れている感覚(何時間寝ても疲れが取れない)
- 軽い運動や家事で症状が悪化する(労作後疲労)
- 脳に霧がかかったような感覚(ブレインフォグ)
思考がまとまらない、言葉が出てこない、注意力が続かない - 微熱やのどの痛み、筋肉痛や関節痛が続く
- 睡眠の質が極端に悪い(熟睡できない/何度も目が覚める)
- 立ち上がったときに動悸やめまいを感じる(起立性調節障害)
- 不安感や抑うつ感などの精神的な不調を伴うこともある
- 光や音に対する過敏症(光や照明が人よりもキツく感じる、音に過度なストレス)
見た目には健康そうに見えることが多く、「怠けている」「気の持ちようだ」と誤解されがちです。
しかし実際は、生活のすべてに支障をきたす深刻な病気であり、日常の「当たり前」が一つひとつ困難になります。

それでも、働き続けなければならない現実
生活費、家賃、社会保険、税金──生きていくためにはお金がかかります。
どれだけ体が限界でも、「働けないなら福祉を頼れば?」と言う人はいます。
でも、その「福祉」のハードルが、あまりにも高い!
私は一度、障害年金の申請を真剣に考えました。
週5日8時間は無理でも、自分の体力が持つ範囲で働きつつ、足りない部分を障害年金をもらう。
そんな生活ができるなら…なんて思って調べてみたら…
現実は甘くなかった──。
障害年金、通らない現実──不支給3万人超え
実際に、障害年金の審査は年々厳しくなっていると言われています。
2024年度のデータによると、不支給となった件数はおよそ3万人。
前年度の2倍以上に増えたそうです(Yahoo!ニュース元記事)。
驚くべきことに、「うつ病」や「慢性疲労症候群」など、目に見えにくい障害ほど審査が通りにくい傾向にあると言われています。
要するに──
見えない苦しみは、支援すら受けにくい社会なんです。
目に見えにくい障害というのは一見健常者と変わらないように見えるため判定が難しく、詐称や不正受給目的で利用する人間も一部にはいることもわかります。
しかし本当に苦しい人も不支給になるのなら何のための制度なのかと。
また不支給によって生活が困難になる人って、生活保護ならすんなり受けられるのだろうかと疑問に思う。
桐生市のように生活保護の闇(Yahoo!ニュース元記事)もありそうで、結局働けるでしょ?ってなるんじゃ。
社労士に頼まないと通らない?“書き方次第”の不平等
障害年金を受給するには、病院の診断書、本人の申立書、日常生活の状況など、山のような書類が必要です。
しかも、それを「どう書くか」で結果が変わるという世界。
まるで、“受給できる文章術”の有無が人生を左右するような話です。
そのせいで、今や社労士(社会保険労務士)に依頼しなければ通らないとも言われています。
でも社労士に頼めば当然費用がかかるし、そもそも「働けないくらい困ってる人」が、そんな余裕を持ってるわけがない。
そして社労士に頼んだとて100%通るわけではない。神頼みでありギャンブル要素があり。
本当に支援が必要な人が、申請すら困難な仕組みって、おかしくない?
しんどさは変わらないのに、書き方の上手い下手で受給できる人とできない人に分かれる。
逆に言えば、書き方さえ上手ければ詐称も不正受給も通りやすいっていう。
──どうみてもおかしい。圧倒的不平等。
「ちょっとなら働ける」──なら見捨てられる社会
毎日8時間は無理。
でも、週3日くらい、あるいは1日4時間くらいなら何とか働ける。
本当はもっと休んで体調を整えたいけど、生きていくために最低限の仕事はしてる。
そんな人間が、障害年金を申請すると──
「生活できてるじゃん」はい不支給
「これまで大丈夫だったんだからこれからも大丈夫でしょ」はい不支給
「たまに働けるなら“障害”とは言えません」はい不支給
──ダメです、甘えんな。 という国や自治体から見放される現実。
支援がない人間が行き着く先は「借金」
働けない。でも、支援も受けられない。
障害年金は通らない。生活保護は「まだ親が生きてる」「貯金がある」で却下される。
「じゃあどうやって生きろと?」──答えはひとつ。借金するしかない。
クレジットカード、キャッシング、後払いアプリ。
とにかく目の前の支払いをしのぐために、借りる。借りる。借りる。
その場しのぎの金で、生き延びるしかない。
でも、病気はすぐ治らない。働けない時間は続く。
そして、借金は容赦なく利息を膨らませていく。
その先に待っているのは「自殺」「犯罪」「ホームレス」
お金が尽きたとき、人は選ぶしかなくなる。
- 自殺するしかないと思い詰める人
- 生活のために犯罪に手を染める人
- 住む場所を失い、ホームレスになる人
これが現実にある“支援が届かない人の末路”です。
どれも、「怠けたから」じゃない。
ただ、生きる選択肢がなかっただけ。
制度が冷たく、社会が無理解で、頼れる人もいない──そんな中で、誰が生き残れるというのか。
本来、障害年金って“最後の砦”なんじゃないの?
本来、障害年金という制度は、誰かが「追い詰められる前」に手を差し伸べるためのものじゃなかったのか、と。
- 倒れてからでは遅い
- 自殺してからでは助けられない
- 犯罪やホームレスになってからでは、もう戻れないかもしれない
だったらもっと早く、「まだギリギリ踏みとどまっている人」にこそ、支援が届くべきじゃないのか。
「働けるか働けないか」の二択じゃなくて、「どの程度なら働けるのか」を精査すべき。
そして「このままだと生活が破綻するかどうか」を見る制度であってほしい。
不正受給との線引きと、“人を助ける仕組み”の再構築を
もちろん、不正受給を防ぐ仕組みは必要だ。
でもそれ以上に、本当に困っている人を見逃さない仕組みのほうが、今の日本には足りていない。
- 一律の「基準」ではなく、個別の「実態」を見る柔軟さ
- 書類の書き方や申請者の“文章力”に左右されない公平な審査
- 医師や社労士の“当たり外れ”で決まらない認定制度
抜本的な改革が必要。
制度を「守る」ための厳しさじゃなく、人を「守る」ための優しさが必要では。
支援を求めることが「甘え」ではなく、
「今の社会で生きるための正当な行動」として認められる。
そんな空気があれば、救われる人はたくさんいる。
「追い詰められてからじゃ遅い」
──障害年金は、“生きるための制度”であってほしい。
