東京に住むメリットとデメリット|7つの視点で“合う人・合わない人”を冷静に考える

東京で10年以上、働き、暮らしてきた。
中年に差し掛かった今──
正直、もう東京に疲れた。

私は関東の田舎出身で、若い頃は東京がまぶしく見えた。
新宿、池袋、渋谷、秋葉原、上野……どこへ行っても刺激があって、ただ歩いているだけでワクワクしたものだ。

だが、今の自分にとって東京はこう見える。

「ここは、中年以上が住む街じゃない」
「人が多すぎて、歩くだけで疲れる」
「便利だけど、もう“楽しめる元気”がない」

そんな思いが募り、最近は地方移住も真剣に考えている。

そこで今回は、改めて──
東京の「メリット」と「デメリット」を冷静に見つめ直してみたいと思う。


目次

東京のメリットとデメリットは表裏一体

×人が多すぎる ←→ ⚪︎出会いが多い

❌ デメリット:人が多すぎる

東京の最大の疲労要因、それはとにかく「人が多すぎる」こと。

どこへ行っても人、人、人──駅、電車、スーパー、カフェ、公園、道端ですら人だらけ。

中年になると、こうした**“人間密度”そのものがストレス**になってくる。

他人を避けて歩くのが面倒になり、パーソナルスペースを踏み荒らされるような感覚にうんざりする。

極端に言えば、「視界に人が入るだけで疲れる」なんてこともある。

アパートを出て、数秒で誰かとすれ違う──

そんな日常に、心がすり減っていくのを感じるのだ。


✅ メリット:出会いが多い

逆に言えば、「人が多い=出会いが多い」という面もある。

マッチングアプリの登録者数は圧倒的だし、街コンや合コンの開催も多い。

一人でふらっと入ったバーで、新しい出会いがある…なんてこともあるだろう。

人が集まる街だからこそ、“縁”を探すには有利だ。

とはいえ、それが生かせるのは若いうちだけかもしれない。

年齢とともに「出会いが多いこと=疲れること」に変わっていくのが現実だ。


❷ × 楽しむ“余裕”がない ←→ 〇 娯楽が多い

❌ デメリット:楽しむ“余裕”がない

東京には数えきれないほどの娯楽がある──それは事実だ。

だが実際にそれらを楽しむ“余裕”があるかというと、全く別の話になる。

平日は満員電車と仕事に追われ、帰宅した頃にはヘトヘト。

休日は掃除・洗濯・買い物を済ませたらもう夕方。

「せっかく東京に住んでるのに、どこにも行ってないな」と思いつつ、結局スマホをいじって終わる。

本当はライブにも行きたいし、美術館にも行きたい。

でも、行こうとする“元気”も“時間”も“気力”も足りないのだ。

東京は確かに何でもあるが、それを満喫できるのは一部の人間だけ。

多くの社会人にとっては、選択肢の多さがかえって“持て余すだけの贅沢”になっているのが現実だ。

結局家でゴロゴロが最高!となるなら、東京の意味はない。


✅ メリット:娯楽が多い

とはいえ、東京が“何でも揃う街”であることは間違いない。
全国規模のイベントは大抵東京発だし、行きたいと思った場所にすぐ行ける利便性はやはり強い。

新しい体験がしたい、好きなジャンルを深掘りしたいという人にとっては、
東京ほど刺激に満ちた場所はないだろう。
若さやエネルギーがあるうちは、間違いなく最高の街のひとつだ。

私はお笑いを観に劇場によく行くが、毎日色んなところでお笑いライブを開催しているのは東京と大阪くらいだと思う。


❸ × 競争が激しすぎる ←→ 〇 仕事が多い

❌ デメリット:競争が激しすぎる

東京は「仕事が多い」とよく言われる。
確かに求人情報を見れば、地方に比べて圧倒的に数が多く、業種も幅広い。

だが──その裏にある現実は、“競争の激しさ”だ。

求人が多いということは、応募者も多いということ。
未経験可、年収◯万円以上、土日休み…そんな“良さげな条件”の求人には、人が殺到する。
しかも、応募してくるのは地方からの上京組、意識の高い転職組、優秀な新卒などガチ勢だらけ。

求人数は多いのに、
「自分に回ってくる仕事」は意外と少ない。

スキル・経歴・資格・年齢・性格…あらゆる要素で比べられ、選ばれなければ話にならない。
運よく採用されたとしても、今度は社内でも生き残らなければならない。
東京は“入るまで”も、“入ってから”も競争社会なのだ。


✅ メリット:仕事が多い

とはいえ、やはり東京は仕事の選択肢が豊富

IT系・広告・出版・芸能・金融・コンサル・商社・外資…何でも揃っている。

本社機能を持つ企業も多く、キャリアアップ志向の人にはチャンスの宝庫とも言える。

「自分の可能性を試したい」「色んな仕事に挑戦したい」

そんな人にとっては、東京は確かに“挑戦できる街”だ。

地方では募集がない仕事をやりたいならばありだ。


❹ × 高いスキル・能力を求められる ←→ 〇 給与が高い

❌ デメリット:高いスキルと成果を常に求められる

東京の求人は、地方に比べて平均年収が高め──これは事実。
だが、その分求められるレベルも高い。

特に東京の企業は、即戦力・自走力・マルチタスク・プレゼン力・コミュ力…と、
“一人で何役こなせるか”が当然のように求められる。

地方なら「この業務だけを丁寧にやればOK」な職場でも、
東京では「それだけじゃ戦力外」と言われかねない。

成果主義・数字主義が根付いている会社も多く、
「やったこと」ではなく「結果」で評価される世界。
常に誰かと比較され、数字で測られ、プレッシャーにさらされ続ける。

「給料が高い」のではなく、「給料を高くするために、身を削って働いてる」に近い。


✅ メリット:給与水準が高い

とはいえ、やはり東京の給与水準は全国的に見て高い。
職種や企業によっては、地方より月10万円以上差が出ることもある。
インセンティブやボーナスも期待でき、出世スピードも早い傾向がある。

「とにかく稼ぎたい」「成果を出してガンガン昇進したい」
そういったタイプには、東京は収入面で圧倒的に有利なフィールドだ。


❺ × 生活コストが高い ←→ 〇 お金で快適にできる街

❌ デメリット:生活コストが高すぎる

東京に住む上で避けて通れないのが、圧倒的な“コストの重さ”だ。
家賃は高く、食費も外食も高い。
電車通勤での定期代、カフェやランチ代、光熱費まで地味にキツい。

地方であれば5万円で住める1LDKも、東京23区内ならワンルームで8~10万円が当たり前。
駅近にこだわればさらに跳ね上がる。

何をするにも“基本料金が高い”のが東京。
生活に余裕がなくなるのは当たり前だし、「何のために働いてるんだっけ?」と虚しくなる瞬間もある。

風呂なし木造築50年とかに住める人ならいいかもしれないが。。


✅ メリット:金さえあれば、時間も快適さも買える

とはいえ、東京はお金を使えば使うほど便利になる街でもある。

家事代行、食事のデリバリー、最先端の家電、駅チカの高級物件…

すべて“時間と快適さ”を買う手段が揃っている。

「時間を節約するために金を使う」

「移動も食事もすべて外注する」

そういうスタイルができるのは、東京ならでは。

金がある人にとっては、最も効率的に生きられる街なのかもしれない。

庶民に居心地の良い街ではない、成功者に居心地の良い街だ。



❻ × 通勤が地獄 ←→ 〇 公共交通機関が発達している

❌ デメリット:通勤が地獄すぎる

東京の通勤は、とにかく過酷だ。

朝の電車はギュウギュウ詰め。座れるどころか、身動きすら取れない。
満員電車での押し合い、汗、他人との密着、社畜の無言空間…。
これを毎日往復するだけで体力も精神も削れていく。

車通勤できる地方と比べると、通勤ストレスは桁違い。
しかも帰りも混む。たった数駅の移動で、一日のエネルギーをごっそり持っていかれる感覚になる。

時間通りに動く、という点では優秀だけど、

「移動の快適さ」という意味では最悪レベルだ。ちなみにドア横キープマンを毎日見る。

平日の通勤時間だけじゃなくて休日も運が良くないと座れない。


✅ メリット:公共交通機関が発達している

とはいえ、東京の交通網は世界的に見てもハイレベル。

電車、バス、地下鉄がほぼすべてのエリアをカバーしており、車なしでも生活できる都市はそう多くない。

日常の買い物も通勤も遊びも、駅近で完結できる。

終電後もタクシーや深夜バスなど選択肢は多く、移動の自由度は圧倒的だ。


❼ × 自然がほぼない ←→ 〇 都市機能が凝縮されている

❌ デメリット:自然がない、空が狭い、心が休まらない

東京で暮らしていると、“自然”が圧倒的に足りない。

公園はあるけど小さく、緑も管理された人工的なものばかり。
山や川、空の広がり、虫の声や風の音──そういう自然の“余白”が圧倒的に少ない。

そして何より、空が狭い。

高層ビルに囲まれた景色の中では、無意識のうちに視界も心も閉じていく。
心が休まらず、ぼーっとできる場所も少ない。

「便利なはずなのに、なんだか息苦しい」
それが、東京に長く住んで感じる“目に見えない疲れ”だ。

自然に癒される場所が本当に少ない。


✅ メリット:都市機能がすべて凝縮されている

その一方で、東京は生活に必要なものがすべて半径500m以内に揃っている都市でもある。

スーパー、薬局、カフェ、病院、駅、コンビニ、ATM、ジム、役所、保育園──
これらが徒歩圏に集中しており、生活の「効率」だけ見れば全国トップクラス。

ちょっとした用事なら一駅も乗らずに済む。
都市機能が密集しているからこそ、時間を無駄にせず、生活を最適化できるという利点もある。

まとめ

東京は、体力がある若者・夢を追う者・エリート・金持ちのための街かもしれない。

東京には確かに、

「仕事がある」「娯楽がある」「便利さがある」──そのすべてが揃っている。

だがそれを“使いこなせる人間”でなければ、東京はただの“疲れる街”になる。

  • 体力がある若者
  • スキルを武器に戦えるエリート
  • 快適さを金で買える金持ち
  • 忙しさすら楽しめるハイエナジーな人間

そんな人たちにとっては、東京は間違いなく最高の舞台だろう。

だが、
「静かに暮らしたい」
「そんなに外出しない」
「もっと人間らしい時間がほしい」
「狭い部屋は嫌だ」
「自然に癒されたい」
「疲れた生活を見直したい」と感じているなら──

東京は、そろそろ卒業してもいい頃かもしれない。

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