南海トラフ巨大地震と首都直下型地震。
いずれも今後数十年以内に高い確率で発生すると予測されている2つの巨大地震。
この記事では、両地震による被害想定をもとに、
命を守る「二拠点生活」「移住」という選択肢や、
実践的な「備蓄の考え方」まで、リアルに深掘りしていく。
南海トラフ、首都直下型、両地震の被害想定
南海トラフ巨大地震は「2035年±5年」、つまり2030年から2040年の間に発生する可能性が高いと専門家によって予測されている。
特に京都大学名誉教授の鎌田浩毅氏は、過去の地震の周期性や地盤の動きから、2035年を中心としたこの期間に発生すると指摘 。
首都直下型地震は、今後30年で70%の発生確率と予測されている。こちらはいつ発生してもおかしくない状況。
下記、内閣府 南海トラフの巨大地震モデル検討会、首都直下地震モデル検討会が公開した、被害想定のマップをまずは参照いただきたい。
南海トラフ巨大地震の被害想定マップ(震度/最大クラス)

ESRIジャパン株式会社,南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ, © Esri Japan
https://www.arcgis.com/apps/mapviewer/index.html?webmap=399cab95ae5c4a90991c129ab349d5c6
首都直下地震の被害想定(元禄関東地震タイプの地震による地震動)

ESRIジャパン株式会社,首都直下地震モデル検討会, © Esri Japan
https://www.arcgis.com/apps/mapviewer/index.html?layers=56d0b4e928824b8a83c4831989738262
これに加え、地震の影響で、富士山噴火もありうる未曾有の大災害が日本には起こりうる。
二拠点・移住/備蓄 が重要に
上記でみたいただいたように、非常に広範囲に被害が及ぶことがわかる。
となると、このままでは命の危険もあるので、下記は十分に検討する余地がある。
・二拠点・移住
・備蓄
もちろん、どこへ引越しても別の災害の危険性は否めないので、安全なエリアというのはないのだが。
少なくとも南海トラフ、首都直下型、富士山噴火の被害が少ないのは東北・北海道エリアなどだろう。
二拠点・移住の候補を考える

相場は具体的なエリアや駅からの距離、築年数によってだいぶ変わるので相場は参考程度に。
🏔 山形県:山形市(香澄町・七日町エリアなど)
おすすめポイント
JR山形駅は、山形新幹線や奥羽本線が通る主要駅。東京駅までは新幹線で約2時間40分、福島駅で東北新幹線に乗り換えれば仙台方面へのアクセスもスムーズ。
駅前にはイオンや大型ホテル、飲食街・医療機関などが揃い、車なしでも生活できる“ちょうどいい地方都市”。
少し足を延ばせば「蔵王温泉」や「山寺」といった自然・観光資源にも恵まれ、四季折々の景色と静かな暮らしを楽しめる。
1K賃貸相場:約4万円/月
1K中古マンション相場:約400万円
🌲 岩手県:一関市(地主町・山目・赤荻エリアなど)
おすすめポイント
JR一ノ関駅は東北新幹線と東北本線の接続駅で、東京へは約2時間30分。市内には商業施設も多く、近隣には厳美渓や中尊寺などの歴史文化資源が豊富。仙台・盛岡へも行きやすく、災害リスクが少ない地域としても注目。
1K賃貸相場:約3.5万円/月
1K中古マンション相場:約440万円
🍁 秋田県:大仙市(大曲・戸地谷・花館エリアなど)
おすすめポイント
「全国花火競技大会」で有名な大曲を中心とする街で、奥羽本線が通るため秋田市・山形市方面へも電車でアクセス可能。暮らしやすいコンパクトな街で、家賃相場も低く、ゆったりとした生活が可能。
1K賃貸相場:約3.6万円/月
1K中古マンション相場:約420万円
❄️ 北海道:岩見沢市(緑が丘・中央・大和エリアなど)
おすすめポイント
札幌から電車で約40分とアクセス良好で、JR函館本線が通る交通拠点。市内には大きなショッピングセンターや病院が揃い、暮らしの利便性も十分。札幌に比べて家賃や物価が安く、二拠点生活にぴったり。冬季は雪が多いが、そのぶん除雪体制も整っている。
1K賃貸相場:約3.8万円/月
1K中古マンション相場:約450万円
🏞 長野県:安曇野市(穂高・豊科・南穂高エリアなど)
おすすめポイント
北アルプスのふもとに位置し、自然豊かで空気も澄んでいる人気の移住地。JR大糸線と国道147号沿いに駅や商業施設が並び、松本市へのアクセスも良い。温泉やアート施設、農産物直売所なども充実し、静かな中に文化も息づくバランスの取れた地域。
1K賃貸相場:約3.7万円/月
1K中古マンション相場:約500万円
備蓄リスト(1人×1ヶ月分)

災害が起きると、運搬や各製造工場が止まり、食料や日用品が街から消える。当然amazonなどネット通販も届かない。
そうなる前に備えておきたい備蓄リストを簡単に作ってみた。
少なくとも食料と日用品だけでも揃えておきたいもの。
🔹【食料系】
品目 | 数量(目安) | 備考 |
---|---|---|
カップ麺 | 約15個 | 保存性○。お湯が確保できる前提 |
レトルトカレー | 約15〜20袋 | 温めなくても食べられるタイプが理想 |
レトルトご飯 | 約30パック | 1日1食分×30日。電子レンジ不要な“湯煎タイプ”が便利 |
缶詰(魚・肉・野菜・果物) | 計20〜30缶 | 味に変化をつけるのに重宝。賞味期限も長め |
栄養補助食品(カロリーメイト・SOYJOYなど) | 10〜20本 | 水がなくても食べやすい |
ビスケット/クラッカー | 5〜10袋 | 菓子パンより保存性が高い |
チョコレート/飴 | お好みで | ストレス緩和・糖分補給に◎ |
🔹【日用品系】
品目 | 数量(目安) | 補足 |
---|---|---|
トイレットペーパー | 12ロール×2パック(24ロール) | 1人月間の平均使用量:16〜18ロール程度 |
ティッシュペーパー | 5箱セット×2〜3(10〜15箱) | 鼻かみ・手拭き・掃除に万能 |
ウェットティッシュ(大判) | 3〜5パック | 体を拭く代用にもなる。アルコールタイプも便利 |
簡易トイレ(凝固剤付き) | 30〜50回分 | トイレが使えないときの必需品! |
ラップ・アルミホイル | 各1〜2本 | 食器代わりや保温に使える |
ゴミ袋(45L) | 20〜30枚 | 多用途。水を貯める、防寒、トイレ用にも使える |
🔹【衛生・医療】
品目 | 数量(目安) | 補足 |
---|---|---|
使い捨てマスク | 30枚以上 | 避難所・ホコリ対策・感染症予防に必須 |
常備薬(風邪薬・胃腸薬・鎮痛薬) | 各1箱ずつ(1ヶ月分) | 普段飲んでいる薬も忘れずに |
生理用品(ナプキン・タンポンなど) | 30〜40個 | 1ヶ月分+予備が安心 |
歯みがきシート or マウスウォッシュ | 30回分 | 水が使えないときの歯のケアに便利 |
絆創膏・消毒液・包帯 | 各1セット | 軽傷の応急処置用に |
ハンドソープ or 消毒ジェル | 1本(500ml) | 手洗いができない場合も考慮 |
清拭用シート(体拭きシート) | 5〜7パック | 入浴できないときの衛生維持に |
綿棒・耳かき・爪切り | 各1セット | 地味にあると快適さが違う |
🔹【照明・電源】
品目 | 数量(目安) | 補足 |
---|---|---|
懐中電灯 | 1人1本以上 | 必ず手元に。小型・防水タイプが便利 |
替え電池 | 多めに(単三・単四) | 懐中電灯・ラジオなどに共用できるものを中心に |
LEDランタン/ソーラーランタン | 1〜2個 | 部屋全体を照らせる。吊るせるタイプが便利 |
モバイルバッテリー | 1人2台程度 | スマホ・LEDライト用。大容量タイプ推奨 |
ソーラーパネル or 手回し発電機 | 1セット | 電源復旧が長引いた場合に有効 |
カセットコンロ+ガスボンベ | コンロ1台+ボンベ6〜9本 | 調理・湯沸かし用。1本で2〜3回使える想定 |
🔹【あると便利】
品目 | 数量(目安) | 補足 |
---|---|---|
携帯ラジオ | 1台 | 情報収集に。乾電池 or 手回し式がおすすめ |
ブルーシート | 1〜2枚 | 床・雨除け・目隠しなど多用途で便利 |
雨具(レインコート・ポンチョ) | 1人1セット | 両手が使えるレインコート型が理想 |
ゴミ袋(45L) | 20〜30枚 | 汚物処理・トイレ・簡易バッグ代用にも |
軍手・作業用手袋 | 2〜3組 | 避難所設営や片付けに必須 |
スリッパ・サンダル | 1足 | 非常時でも足を守れる、脱ぎ履きしやすい |
紙皿・紙コップ・割り箸 | 各30個前後 | 洗い物ができない環境で重宝する |
ジップロック・ビニール袋(各種サイズ) | 各20枚程度 | 小分け・防湿・ゴミ処理など用途多数 |
軍用/保存食 | 3日分 | どんな状況でも食べられる高カロリー備蓄 |
- 水とご飯だけではメンタルがやられる
- 「飽きない・片付く・寒くない」の3軸で揃えると長期生活がしやすい
- 日用品と食料は“ローリングストック(普段使って減ったら買い足す)”が◎
巨大地震が起きるリスクは、もう“いつか”ではなく“これからの現実”として考えるべき時代。
科学の発展によってある程度発生の可能性や規模を予測できる現代だからこそ、
未来を恐れるのではなく、“整える”ことができるようになった。
どこで暮らすか、どう備えるか、
そして非常時にも自分らしく生きるために、何を選び、何を手放すか。
「備蓄」だけでなく、「暮らし方」そのものを見直すことが、
これからの安心につながる時代。
あなたにとっての“ちょうどいい備え方”と
“ちょうどいい暮らし方”が見つかりますように。