赤木しげるに学ぶ:失敗してもいい。まともであるな。不完全でも動き出せ

『天-天和通りの快男児』(福本伸行/竹書房)に登場する、伝説の雀士「赤木しげる」(青年のアカギと区別するために、ファンの間では老アカギと呼ばれている)が、井川ひろゆき(ひろ)に自身の死の間際に語った言葉がある。

全ての、何かに迷っている人間に刺さる言葉なので、赤木しげるの作中のセリフを引用し、後世に伝えていきたい。

昨日と同じような今日が何年も続いていて、その流れを変えるような挑戦がしたいがリスクを恐れている人、脱サラや転職を考えているサラリーマンに特に刺さる!?

著:福本 伸行
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目次

不完全でもやはり動くことが道を開く…!」

麻雀の才能と麻雀への熱意がありながらも、一流の赤木しげるには遠く及ばないと悟ったひろは、平凡なサラリーマンとしての道を歩んでいた。

しかし、そこに違和感を覚えていることを赤木しげるに即見抜かれる。

死んだ魚のような目をして覇気がなく、命が、魂が輝いていないサラリーマンに刺さる言葉だ。

生活や給料のためにとりあえず停滞、現状維持。
先が見えなくとも動き出さなければ何も変わらない。
今、つまらない人生と思って生きているならば、とりあえず動けと言っている。

(中略)

お前の全体からまっすぐ生きてない淀み…濁りを感じた…!

苦戦の匂い…立ち止まりを感じたっ…!

 

難しく考えることはないんだ…!
命ってのはすなわち輝きなんだから…
輝きを感じない人間は命を喜ばしてないんだな…ってすぐ分かる…!
 

どうして命が喜ばないかといったら…

これまた…ひどく単純な話…!
要するに…動いてないのだっ…!

 

命の最も根源的な特徴は…活動…動くってことだ…!

動かなくなったら即 死なんだからよ…!

それは微生物から人間まで変わらない…!

(中略)

わけ分からないんじゃないか…?

自分でもこの9年……何をやってるんだか……
(中略)

不完全でもやはり動くことが道を開くこと…!

そうだろ…?
考えるな…!負けの可能性なんて…!

 

──赤木しげる

引用元:『天-天和通りの快男児』18巻

著:福本伸行, 編集:橋富政彦
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傷つきは奇跡の素
自分が勝てないなんて決めるなよ…!」

赤木や天の麻雀には届かないってわかってしまった以上、勝負を楽しむなんて不可能。
麻雀をしてもただ傷つくだけというヒロに対しての赤木の言葉。

赤木が言ってるように、どんな天才も偉人も最初から成功していたわけではない。
失敗し思うようにいかず傷つき、その悔しさやコンプレックスをバネに、試行錯誤し奇跡を成し遂げうるという。

私も同意だ。同じ人間である以上、人間の能力に差は少ない。他の人間にできることは自分にもできると思っている。

だからハナからあの人には勝てない、才能がない、遺伝子が違う、自分は凡人と決めつけるのは良くないだろう。

(中略)

そんなに悪いかな…?傷つくって…!
思うようにならず…傷つくっていうか…

イラつくっていうか…そういうの…


悪くない…まるで悪くない…!
俺はいつもそう考えてきた…!

痛みを受ければてめえが生きてるってことを実感できるし…

何より「傷つき」は奇跡の素
最初の一歩となる…!

 

大抵の奇跡…偉業は…

初めにまず傷つき…そのコンプレックスを抱えた者が…

通常では考えられぬくらいの集中力や持続力を発揮して…

成し遂げるものだ…!

 

つまり…天才とかいわれる連中の正体は…

みなその類の異常者…!

さらりと生きてないっ…!

あいつらもさらりと生きてない…!

 

結局ハナっから勝つ人、負ける人なんていないんだ…

結果表れるだけ…勝ったり負けたりが

 

決めるなよ…自分が勝てないなんて決めるなよ…!

わかったもんじゃないって…勝ち負けはわからない…

 

──赤木しげる
引用元:『天-天和通りの快男児』18巻

著:福本伸行, 編集:橋富政彦
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「失敗の人生もいい…!」

負けの人生、失敗の人生を恐れるひろ。
そんな人生よりは、まともな人生の方が良いのでは と言うひろ。

しかしアカギはいう。失敗の人生もいい と。
我々は何かをする時、例えば受験、就職、転職、結婚など、人生の大きな決断をするときに、
失敗したくないと考える。これは誰だってそうだろう。

ただ、失敗をすること よりも 何もしないこと・動き出さないことがまずい と赤木は考えている。

赤木:「”何か”をして、仮にそれが…

失敗に終わってもいい…」

 

ひろ:「そ…そりゃあ…小さなちょっとした失敗ならいいですよ…!」

ひろ:「でも大きく…人生そのものに関わる…失敗ってのは……!」

 

赤木:「それもいい…!いわゆる世間でいうところの失敗の人生もいい…!」

 

ひろ:「(中略)失敗の人生っていったら…誰にも認められず…軽んじられ疎まれ嫌われる…!」

ひろ:「軽蔑や貧窮…そんな人生ってことでしょ…!?どこがいいっていうんですか…!そんなのの…!」

 

ひろ:「そんな羽目に陥るくらいなら…まだ今の方が…まともっていうか…それなりっていうか…」

 

──赤木しげる 井川ひろゆき

引用元:『天-天和通りの快男児』18巻

著:福本伸行, 編集:橋富政彦
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振り回されてきた…そのまとも、正しさに…!」

サラリーマン=平凡だがまともな人生、生きていける安定した収入もある。

世間から見て正常=まともであらなくてはならないという、この価値観に苦しめられている人は多いのでは?

この世間体、価値観に縛られて動けないのだ。
例え現状に不満があろうとも、追い詰められて限界に達するまで退職や離婚を決断できないのでは。

(中略)

そのまともって何…?

平均値、世間並みってことか…?

そういう恥ずかしくない暮らしってことか…?

 

知ってる…?それだぜ…!お前を苦しめているものの正体って…

(中略)

まとも…正常であろうっていう価値観と

自分の本心…魂との板ばさみに苦しんでいたんだ…

 

振り回されてきた…そのまとも、正しさに…

 


──赤木しげる
引用元:『天-天和通りの快男児』18巻

著:福本伸行, 編集:橋富政彦
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さぁ…もう…漕ぎ出そう…!いわゆる『まとも』から放たれた人生に

就職してサラリーマンをして、これが「正しい人間」で「正しい人生」であると誰が決めたのだろう。

夢を追っているミュージシャンや役者、芸人、アイドル。
売れてないクリエイターや個人事業主など、いつから異端者扱いになったのだろうか。

それは世間体という集団催眠、とくに日本特有の横並びが正義とされる価値観が植え付けられ、疑問を持たなくなっている洗脳状態に近いのでは?

まともに?ちゃんと?正しく?働いて…
そうじゃないという意味での ダメ人間 も赤木は認めている。

(中略)

『正しい人間』とか…『正しい人生』とか…

それっておかしな言葉だろ…?

(中略)

正しい人間…正しい人生なんて

ありはしないんだって…そんなもの元々…!

 

ありはしないが…それは時代時代で必ず表れ…

俺たちを惑わす…暗雲…!

俺たちはその幻想をどうしても振り捨てられない…!

 

一種の集団催眠みたいなもん…!

まやかしさ…

そんなもんに振り回されちゃいけない…!

 
とりあえずそれは捨てちまっていい…

そんなものと勝負しなくていい…!

そんなものに合わせなくていい…!

 

つまり…そういう意味じゃ…

ダメ人間になっていい…!

(中略)

さぁ…もう…漕ぎ出そう…!

いわゆる『まとも』から放たれた人生に

 

──赤木しげる

引用元:『天-天和通りの快男児』18巻

著:福本伸行, 編集:橋富政彦
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ただやること…その熱…行為そのものが…生きるってこと…!

成功すること、そしてその結果得られる金や地位、名声や権力、称賛などは全て人生の飾りだと赤木は考えている。

成功か失敗かに限らず、熱意を持って挑戦すること、それ自体が人生の本質であり生きるということだと。

稼げなかろうが、惨めだとバカにされようが、自分が熱中して取り組めることが魂の輝きに繋がる。

(中略)

誰だって成功したい…!

分かりやすい意味での成功…世間的な成功…!


金や地位 名声…権力 称賛…
そういうものに憧れる…欲する…


けどよ…ちょっと顧みれば分かる…!
それは「人生そのもの」じゃない…!

そういうものは全部…飾り…!
人生の飾りに過ぎない…!
    

ただやること…その熱…

行為そのものが…生きるってこと…!

実ってヤツだ…!分かるか…?

     

  

──赤木しげる
引用元:『天-天和通りの快男児』18巻

著:福本伸行, 編集:橋富政彦
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いいじゃないか…三流で…!熱い三流なら上等よ…!」

失敗を恐れて止まること、そしてその内に熱を失ってしまうこと。
これが一番まずいと赤木は考えている。

やりたいと思ったことや、挑戦したいと思ったことがあったら熱がある内に飛び込めということだ。

失敗してもいい。上手くできなくてもいい。三流でもいい。

とにかく、不完全でもやはり動くことが道を開く…!ということだろう。

成功を目指すな…と言ってるんじゃない…!


その成否に囚われ…思い煩い…止まってしまうこと

熱を失ってしまうこと…これがまずい…!


こっちの方が問題だ…!


いいじゃないか…三流で…!
熱い三流なら上等よ…!


まるで構わない……構わない話だ…
だから…恐れるなっ…!


繰り返す…!

失敗を恐れるなっ…!

──赤木しげる
引用元:『天-天和通りの快男児』18巻

おわりに:退屈な人生(生きてはいけるけど、生きてはいない)

私がこの記事を書こうと思ったきっかけは、サラリーマンをしている私自身の人生を退屈だと思っているからだ。

人生の大半は仕事だ。生きるためには時間を、いや人生を売って働いているのだ。

でも、やる気がなくなるような言葉や業務、仕事の押し付けなどでまさに死んだ魚のような目で覇気がなく、何一つ魂が輝いていない。

キラキラとした瞳で何かに挑戦している人を見ると、このまま自分の人生が終わっていいのか?と思う。

サラリーマンをしていれば、決まった給料が貰え、安定した生活はできる。

しかし、(身体は)生きてはいけるけど、(魂は)生きてはいない

このまま人生が終わりに近づいた時、
「なかなか悪くない人生だった…!
こう言える自信がまるでない。

例えド貧困でも生活保護でも、やりたいことを思いのままやる方がいいのかもしれない。

一度きりの人生、後悔のない人生にしたいものだ。

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