受験生に告ぐ。一年間宅浪して希望の大学に受かった時の記録
私はかつて受験に失敗し、浪人生活を1年した。その時に金もなかったので、”宅浪”という選択肢を選んだ。しかしこれが功を奏して希望の大学に受かることができた。
ではなぜ合格できたか?その全貌を明かそう。
滑り止めに行かなかった動機
まずはなぜ浪人したのかを記す。
我が家は特段、頭の良い人間がいない。なので、私もさほど期待されていなかったわけだが、現役時代に希望の大学に落ちた際に、『やっぱりね』みたいな反応をされたのが悔しかった。有体に言えば、親を見返したかったのだ。それともう一つはパソコン。『偏差値の高い○○大学に入学できたらパソコンを買ってくれ。』そう約束させたのだ。当時は安くても10万ほど掛かったので、どうしても欲しかった。
それと、特段秀でたものもなかった私は、学校の友人たちに『○○大学か、まぁ普通だね。』と言われたのも悔しかった。周りでは希望の大学に入れて浮かれているやつか、滑り止めで納得しているやつの2者が多かったが。だんだん私は、『滑り止めに入って良いものか?』と自問自答した結果、少しでも入学してから後悔しそうだと思い、浪人を決意した。
最後に、とある予備校講師の言葉が響いた。『大人になったら理不尽なことはたくさんある。努力が報われないこともある。しかし受験は勉強した分だけ結果に繋がる。万人にチャンスがある公平な勝負だ。』
宅浪を選んだ理由
次に何故浪人の中でも宅浪を選んだのか。
私は現役時代、受験科目のすべてを予備校で科目をとり学んでいた。それで落ちたのだ。なら、同じことを繰り返す必要はない。別の方法を探さなければならないと思った。大方は学んでいたので後は苦手なところを詰めるだけ。ならば、苦手なところをひたすら勉強するのが良いと思った。であれば、自分のペースで出来る宅浪が最適だと思い選んだ。もちろん、親に予備校代を出させるのも申し訳ないという思いもあった。
宅浪の基本的な一日
せっかく宅浪を選んだのだから、とにもかくにも自習!
どんどん問題集を解いていこう。
09:00 図書館で自習スタート
13:00 昼飯を図書館の外で食す
19:00 図書館が閉まるので帰宅
19:30 自宅にて夕飯、風呂
21:00 自宅にて自習
24:00 就寝
上記のスケジュールで稼動していた。一日12時間程だろうか。吐くこともあった。
もちろん毎日上記のとおりかと言えば、そんなことはなかった。
見たいアニメがあれば見るし、聴きたい音楽があれば聞いていた。
リフレッシュする時間も大切なのだ。
自習する場所
私は自宅ではあまり集中力が持続しないタイプであった。なので基本は図書館だ。静かで集中できる。しかし意外と席の奪い合いが激しいのと、途中で自習禁止令が出て追い出されたことがある。まあその際は別の図書館に変えたのだが。
短時間であれば、空いている時間帯のファミレスやマクドナルドもおすすめ。それでも集中できない場合は予備校で一科目だけ受講し、自習室利用権利を得ることだ。
完璧に理解していないと正解しても意味がない
私の場合は一つの問題集を何度も解いた。これは特に暗記系の科目に効果がある。その方法は、まず一通り問題を解き、○「完全に理解した上で正解した」、△「迷いながらも正解した」、×「まぐれで正解あるいは不正解」の3種の印をつけた。
○については、2周目以降、改めて解く必要はない。問題は△と×だ。○になるまで何度も解く。そして全部の問題が○になったとき、改めて最後に全部の問題を解き、本当に○かどうかを確かめる。
△と×については、メモリーツリーを描き声に出して読み上げた。メモリーツリーとは、その答えに関連する事柄をどんどん書き上げていくことだ。
これは特に日本史や世界史などの暗記系科目に効果は絶大だ。
たとえばQ『安土城を築いた人物は?』A『織田信長』だが、では『織田信長』という人物は他にどんなことをしたのかを箇条書きで書き上げるのだ。『1560年桶狭間の戦いで今川義元をやぶる』『関所の廃止』『楽市・楽座』『1582年本能寺の変で明智光秀に殺される』といったように、織田信長に関連する事柄をどんどん書いていくことで、織田信長に関する別の問題が出ても大丈夫なようにするのだ。
時間が許すならば、問題集の答えを書くときに、その人物や事柄に関連するメモリーツリーも書き、(試験の問題として出る項目は)完璧に理解しているくらいになってはじめて○をつけると良いだろう。
選択肢がある問題ではどうするか。たとえば英語の熟語や単語を選択する問題では、正解以外の選択肢の意味も完璧に把握できるようになるまでやる。『look after/look forward to/look like/look over』といった選択肢があった場合、すべての熟語の意味を把握できてはじめて理解したといえる。正解だけわかってもだめなのだ。
英語の読解問題では、わからなかった単語はすべてチェックし、自分オリジナルの単語帳を作ると良いだろう。(とはいっても、この単語はまず他の問題では出ないだろうなという単語は飛ばしてよい。)その際に、オリジナルの例文を作ると覚えやすい。
現代文はとにかく、量をこなすことが必須。いくつもの読解を進めていけば、自然に慣れてくる。暗記の合間にやると良いだろう。
同じく古文は、話さえわかっていれば実は現代語訳の部分は読まずともわかってしまう。例えば漫画版やアニメ版源氏物語なんかを暗記の合間にみておくと源氏物語の問題は出たときに読解は楽に解ける。
上記の要領で自習を進めていき、私は偏差値をぐんぐんと上げることが出来た。
ライバルや同じ浪人仲間がいたら問題を出し合おう
私は幸運なことに、浪人仲間がいた。彼とたまにスタバで問題を出し合うことで、お互いに張り合うことが出来たし、話し合うことで気休めにもなった。
モチベーションを維持する為に、大学に入ってからの楽しい学生生活も妄想した。ちなみに私は、早稲田大学に合格したのだが、”早稲田魂”という早大生サークルが作った雑誌をとにかく読みまくった。
そうして私は、志望校に合格できた。現役時代の志望校も滑り止めとして受けていたのだが、余裕で合格できた。最後に受験生に伝えたい、『自習こそすべて』なのだ。ノートに書くことに必死になって理解が追いつかない授業など受けている意味がないと断言しよう。
ちなみに余談だが、最後のほうは完璧なる自信が芽生えて(というより勉強疲れかもしれない)ほとんど勉強していなかったので、ペースは上げすぎなくても良いだろう。